ソンジュンはユニの唇に自身の唇をそっと重ねたまま、そのまま動かなかった。

「ちょっと、イ・ソンジュン!!ちょっと!」

ユニがハッと我に返ったようにソンジュンの胸を押し返す。
だが、そこはソンジュン、これだけでは満足しない。

今度はユニをギュッと抱きしめて、首筋に唇を這わせていった。

他の儒生はソンジュンの想定外の行動に言葉もでない。
片手に酒を握り締めたままポカンと口をあけて固まっていた。

そしてソンジュンは左の首筋、右の首筋。それぞれ唇を這わせる。

(ユニ?俺を早くとめないと、押し倒すぞ?)

もちろん、そんなことはしないが再びソンジュンがユニの唇に口づけしたところで、強くユニに胸を跳ね返された。

「やめてよ!!カラン兄上!!僕は姉上じゃなくて、弟のユンシクだってばっ!!」

そうユニに言われたところで、ソンジュンは手の甲を自身の唇にあてた。
ユニに目をむけると『ワザとでしょ!』と言わんばかりに、自分を睨みつけている。
夢でも見ていたふりをして、ソンジュンは悪びれもなさそうに言った。

「ああ、ここは・・・・。」

部屋の中を見渡すふりをする。

「ごめん、寝ぼけてた。テムル君だったな。すまん。」

「もう!飲みすぎだよ!ちょっと水もらってくるから!お酒飲んじゃだめだよ!」

どかどかとユニが外に出て行った。

ユニがでていってギャハハと笑いがおこる。
ヨンハと他の儒生がソンジュンの意外な一面に笑い転げていた。コロを覗いては・・・。

「おまえも男だったんだなっ!!そういうとこ初めて見たぞ!」

「何?カラン!テムルの姉上を狙ってるのか?そうかっ!そうだったのか!」

「欲求不満なのか?テムルを姉上と間違うなんてな!あーーっ、おかしすぎるっ!!おまえも女を口説く術を知ってたんだなっ!!」

ソンジュンが女と付き合うなど、他の儒生には想像つかないらしい。
お腹をおさえて床に転がって引き笑いになるほど、笑い転げていた。
だが、コロは呆れ顔でソンジュンを見ている。

(そんなに笑わなくてもいいのでは?)

そう言いたいところだが、実は素面なのをばらすわけにもいかず・・・。
しかたなくソンジュンはテーブルに突っ伏してみなの笑いをかわしていた。

扉がカタッと開く。
ユニが戻ってきたようだ。想像もしなかった光景にその場にたじろいでいる。

「え?みなさん、どうしたのですか?」

(どうしたって言いたいよな?君がこの場をなんとかしてほしいんだが。)

そういいたいところだが、酔っ払いの手前、平然と喋るわけにもいかず。
ユニを見上げたが、何も言わずに再びテーブルに身を伏せた。

(だが、自分が仕掛けたことだしな・・・・。)

このままここにいても笑われ続けるだけだろう。
ユニをつれて早くこの場を退散したほうがよさそうだ。

ソンジュンはユニがもって来てくれた水をゴクゴクと飲んだ。

「大丈夫?カラン兄上。」

俺は伏せたまま首を横に振った。

「僕、カラン兄上と一緒に先に中二房に戻りますね。皆さんはゆっくり飲んでいってください。」

そして、ソンジュンはユニに腕をつかまれたまま酒場をでた。




「もう、そろそろいいと思うけど?酔ってないってわかってるんだから。」

飲んでいた酒場を少し離れた所で、ユニがソンジュンに話しかけた。

「やっぱり気づいてたんだな。」

「やっぱり・・・。」

ユニはソンジュンが素面であることがわかると、すっと腕を外した。

「だって、あなたがあんな事するなんて。最初は本当に酔っ払ったって思ったけど、あなたの目を見たら・・・・、わかるわよ。なんであんなことを?」

「・・・・・・・・、言いたくないな。」

「え?なぜ?何か気に入らなかった?・・・・もしかして、やいているの?」

なかば呆れたようなユニの表情。

(やっぱりおれの気持ちは通じていないようだ。)

ソンジュンは立ち止まって俯いたまま呟くようにユニに語りかけた。

「男というのはキミが思っている以上に、女人の身体を欲するものだ。だが、ちゃんと俺だってわかっている。君の置かれた状況を。俺が気の赴くままに行動すれば、お互いにただでは済まない。俺は君を必ず守り抜く。それはずっと変わらない。しかし・・・・・・、2人でいる時ぐらいキミに触れてもいいだろ?抱きしめて、口づけをするくらい、俺は求めてはいけないのか?」

「イ・ソンジュン・・・・・。」

ソンジュンはゆっくり顔を上げると、ユニを見つめた。

(やっぱりだめだ。これ以上キミを見つめていたら、我慢できなくなる。)

パッとソンジュンはユニから顔を逸らした。

ユニは胸に手を押さえ、目をぎゅっとつむりフーッと息をはいた。

「あの・・・だから、数日前まで月のものがきてたの。・・・・・もし、あなたに触れられて私もその気になっても・・・・その・・・・・できないし・・・・断るのも我慢するのもつらいから。だったら最初から触れられないほうがいいかなって思って。・・・・・・・その、ごめんなさい。」

恥ずかしそうにユニはペコッと頭を下げた。

「月のもの・・・・・。ああ、そういうことか・・・。」

分かればなんていうことはない。
女人の身体は男とは違う。
知ってはいたが、他の雑学と同様で頭の片隅にある程度の知識だった。

「あなたの屋敷で過ごした数日あとにきてしまって・・・。だから、私もどれくらい日をあけたら大丈夫かとか分からなかったの。今まではこんなにあなたに求められたことなかったから。だから、さほどきにすることはなかったんだけど・・・・・・。」

「それならそうと、言ってくれた方がよかったんだが・・・。」

「だって恥ずかしいもの・・・。」

「だって毎月のことなんだろ?」

うんとユニは頷く。

「だが良かった、本当のことが分かって。キミに避けられてると思ったんだぞ?その・・・・・なんだ、前回・・・キミに無理をさせすぎたせいかと・・・・。」

「ええ、確かに次の日はつらかったわ。だけど・・・・、幸せだった。あなたの思いを受け止めることが出来て・・・。夢の中にいるようだった。」

2人の視線が合わさった。

「はぁ・・・・・。こんなときはどうしたらいいんだ。君を抱きたくてたまらないのに。キミに関することになると、とたんに忍耐力がなくなる・・・。」

「言っときますけど、つらいのは男だけじゃないのよ?女だってその気になって我慢するのはつらいんだから。」

「いや、それは違う。男の方が勝っている。だから妓楼というものがあるんだろ?」

「それをいうなら女だって!だから妓生がいるんじゃない!」

言い合っているうちに、テンションがあがっていたのか声が徐々に大きくなっていた。
なんだか見られているような・・・・。
そして、自分達に注がれている視線にハッとした。
そばを歩く人たちにちらちら見られていることにやっと気づいたのだ。

その場をそそくさと離れ、中二房へと早足で向かう。

かといって2人の熱が冷めるわけがなく・・・・、

「中二房では・・・・、無理だよな。俺たちが抜けたからすぐお開きっていうこともありえるし。」

だからといってソンジュンに忍耐力があるわけがなく・・・。

(今晩も当然我慢だよな・・・・。)

そう考えていると、ユニが恥ずかしそうに話し始めた。

「私が・・・・・・、その・・・・・慰めてあげましょうか?」

「えっ?」

何を言っているのか最初は分からなかったが、ユニの真っ赤な表情を見れば思い当たることはひとつで・・・。

「えーーっっと。その・・・・、そうだな。じゃあ、お互いにということで。」

「え?お互い?」

もうユニの返事など待てない。
そうと決まれば。
ソンジュンはユニの腕を掴んで早足で成均館への道のりを急いだ。


今夜は新月。
中二房はすぐに明かりが消され、暗がりの中2人の交わりは始まった。


そして夜が明けて、しばらく成均館でカランの「テムル接吻&抱擁事件」が噂でもちきりになったのはいうまでもない。


おわり



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思いつきでたいした構成も考えず書きました。
楽しんでいただけたら幸いです。


ひじり
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# by yumama0401 | 2013-09-04 17:59 | 二次小説
毎月おこなわれる試験も終わり、算学研究会のメンバーで酒場にきていた。
酒をひっかけながら、算学について誰が一番か競い合う。
チャルグム四人組全員が揃っていたので、ユニも安心して酒の場に参加していた。

「よし!今回は俺が一番のようだな!!」

メンバーの1人が手を挙げながら、誇らしげに全員を見渡す。
面々はl「くそー!!負けかー!!」と呟いていた。

だが、なんだかんだで結局は酒を酌み交わしにきたような様相を呈し、酒の量はどんどん増えていく。
ついには、完全に酔っ払いの集まりのようになっていた。

「おい、テムル・・・・。たまにはお前もたーんと飲めよ。」

ユニのそばにきたメンバーの1人がユニに酒を注いだ。
酒の入った器を片手に「算学がなんたるか」というのを云々色々語り始めている。

「この問題はだな、ここをこれにあてはめて、そして・・・・、」

さきほどの問題について、どう解いてどう解釈していくのか、ユニも興味津々で話を聞いていた。

「では、これがこうなってこうなるんですね?」

ユニも話にのめりこんで、盛り上がっている。
「こっちにも似たような問題があるぞ?」といって、まだまだ2人で話は続くようだ。

絶妙な距離感で話すユニともう1人の儒生をソンジュンが遠くから見ていた。
やけに2人が仲良く話しているように見える。
お互いに問題に指をさして意気投合しているというか・・・・。

ソンジュンはおもしろくなくて酒をちびしびと手酌した。
本当は豪快に飲みたいのだが、弱い為そういうわけにも行かず・・・・。

(俺とはそんなに夢中で算学の話などしないくせに、あの儒生とは夢中で話し込むんだな。)

会が始まった時はユニが隣りに座っていたが、厠にたって戻ってみたらユニが別の場所に座っていたので、今は斜め向かいにユニがいる。

おもしろくない。
なんだかとてもおもしろくない。

自分が嫉妬しているだけ。
それも十分わかっている。

(だからって俺の傍を離れて、別の男と話し込むことはないだろ?)

俺はといえば不機嫌なのが表にでているのか、話しかけるものはいない。
だから、1人で手酌するしかなかった。

(ユニ、こんな俺の気持ちをわかってるのか?
俺はここにいるのだが・・・。
そんなこともキミは気にならないのか?

俺のことが視界に入ってないのか?
俺はここにいるんだぞ?)

ソンジュンはジロリとユニを睨んだ。
一瞬ユニと眼が合った。
だが、ユニはバツがわるそうにさっと算学の問題に視線をうつす。

(そうか・・・・・・・・、そういう態度なんだな?いいさ、いいさ。
君がその気なら、俺は・・・・・・・・。
俺だってやるときはやる男なんだぞ?)

ソンジュンはブツブツと心の中で呟くと、ごくごくと酒を飲むフリをしてテーブルの上に大げさに上半身を突っ伏せた。

「イ・ソンジュン!!」

すると、案の定ソンジュンの思惑通り、ユニが自分の元に駆けつけた。

「大丈夫?カラン兄上。飲みすぎだよ!」

(きたな。想定どうりだ。)

「ちょっと!兄上!!」

ぶるぶると肩を揺さぶられる。
だが、何の反応もないことにした。
しょうがない・・・と、ユニがソンジュンの両肩を抱き、上半身を持ち上げた。
そんなに飲みすぎたのかとユニがソンジュンの顔を覗き込む。

ソンジュンはユニと目を合わせた。
アルコールでほんのりピンクに色づいた頬と、大きな黒い瞳が目に入る。
触れたくてたまらなかった顔がそこにあった。
ソンジュンは他の儒生もいることは十分わかっていたが、ここは酒の場。

(俺は飲みすぎて、完全に酔っ払ったことにしょう。)

他の成均館の儒生だって、飲みすぎて醜態をさらしてしまうなどよくあること。

ユニに触れたくてしょうがない。
最近2人でいても、ユニの態度がどこかそっけなかった。
その赤い唇に口づけて、抱きしめて、自分の気持ちを囁きたくてもなぜかユニはそうさせてくれなかった。
何か甘い雰囲気になるのを避けているというか・・・。

(俺をほったらかしにするからだ。何日キミに触れてないと思う?)

少しお酒が入っているせいか・・・。
ソンジュンは左の腕でユニの腰をだき、右手で頬に手を添えると、他の儒生にも聞こえるようにユニに語りかけた。

「ユニ・・・・・会いたかったよ。」

「えっ?」

真顔で自分の名前を呼ばれたことにユニは驚きとまどっている。

(キミはどうやってこの場をきりぬける?)

ソンジュンはあたふたしているユニの唇にそっと自身の唇を重ねた。
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# by yumama0401 | 2013-09-04 17:59 | 二次小説
ソンジュンは暗い夜道を婢僕庁へと向かって歩いていた。

先程ユニがそっと中二房から荷物を持って出て行ったので、きっと身体を清めにいったのだろう。
コロが居なければ一緒についていったのだが、その場に居たので一緒に行くわけにもいかず・・・。
時間をおいてこうしてついて来たのだ。

婢僕庁につくと、ソンジュンは高鳴る胸を落ち着かせようとフーと静かに息を吐いた。
そしてカタッと扉を開く・・・。

白い煙の立ち込める奥の方に歩みを進めるとユニが湯船に浸かっていた。
温かい湯を楽しむように手でお湯をすくい、ほどいた髪をお湯になびかせている。

ソンジュンは壁に隠れたままユニを見つめた。
そのままユニの前に出て行ってもいいのかもしれないが、このまま気持ちよさそうにお湯を楽しむユニを見ていたい・・・。
そんな気持ちもでてきて。

出てきたところをギュっと抱きしめるのもいいかも・・・・。
そう考えながら、その場でユニを待つことにした。


波打つ湯船、見えそうで見えないユニの胸の頂点の果実。
膨らんだ乳房を見るだけでソンジュンの心臓はどんどん高鳴る。


ザッバーン!!

(あっ!出てくる。)

ソンジュンは身を更に奥に隠すと、壁に背をつけ身体を貼り付けた。

目の前に裸体のユニが姿を現した。
湯気をたて、全身の白い肌がピンクに色づいている。

ソンジュンはいてもたってもいられずぎゅっとユニを抱きしめた。

「キャッッッ・・・・。」

叫びそうになるユニの口を手で塞ぐ。

「俺だ。」

「えっ?イ・ソンジュン・・・・。もう・・・おどろかさないでよ!!」

「ごめん、驚かせて。どうしても君に・・・・・・キム・ユンシクではなく、ユニに会いたくて・・・・。」

「ちょっと待ってよカラン兄上。コロ先輩、確か部屋にいたよね?何て言って出てきたの?誰かに後を付けられてない?もう・・・・何で来たのよ。」

せっかく2人っきりになろうと思ってこっそり出てきたのに、ユニの態度が冷たい。

「俺が忍耐力がないのを知ってるだろ?頼むから黙って抱きしめられてくれないか?」

(こうしていればきっと、君も同じ気持ちになるだろ?)

当然ユニも自分の気持ちに応えてくれるはず・・・
ソンジュンは口づけようと、自分の唇をユニの唇に近づけた。

「ちょっと待ってよ、イ・ソンジュン。」

そういってユニはソンジュンの唇を手で押さえる。

「つい先日、確かめ合ったじゃない。それも一晩中よ?私は最後まであなたを受け入れたわ。それなのに・・・・。ここでもだなんて。」

ユニの言葉がソンジュンの胸を突き刺す。
ユニの口調はとても淡々としていて冷静だ。

「・・・・・・・す、すまない。あの日は君に無理をさせたのはわかっている。だが、頭ではわかっていても、俺の身体が君を欲してしまうんだ。愛しい人を目の前にして、・・・・こうして今も、俺は冷静ではいられなくなる。」

そう言ってユニをさらにギュッと抱きすくめた。
だが、ユニはソンジュンの胸を手で押し返そうとする。

「ダメよ。ここは成均館。法と礼を重んじるあなたはどこへいったの?孔子、孟子を奉るこの成均館でこんなことをして、あなたは平気なの?」

裸体のユニを抱きしめながら、ユニの言葉がソンジュンの脳にこだました。

『孔子、孟子を奉る成均館で、こんなことをしてあなたは平気なの?』

何度も、何度もこの言葉が頭の中をこだまする。

(貴女の口からそんなことを聞くなんて・・・・・、俺は、俺は・・・・・・・・・。)

そんなことは重々承知のことなのに、改めて貴女に言われたら。
俺は、俺は・・・・。
ソンジュンの頭の中が真っ白になった。






パッと目が覚め、ソンジュンは勢いよく、ガバッと身体を起こした。
周りを見渡すと見慣れた天井、扉、壁が目に入る。

(夢を見ていたのか・・・・。)

自分に目線を移すと、机の前に座り腕をかけていた。どうやら、机に突っ伏して寝ていたらしい。

さっきのことは夢なのかと安堵すると、深いため息をついた。

「はぁぁぁぁぁぁ。」

夢でよかったとおもうべきなのか、あれが現実でそのまま押し倒せずに残念だったと思うべきなのか・・・。
どっちの思いも交錯する。

(先日、思いのままにユニを抱きすぎて、その反動がきているのか?)

夢の中のユニの言葉を思い出すと、自分が愚かに思えてくる。
確かに自分は法と礼を重んじてきたが、それは今でも変わらないし、これからも変わらない。
だが、ユニのことは別なのだ。
男が女を欲して何が悪い。
俺だって男だ。
ただ、ここが女人禁制なだけで・・・。

いろいろ考えをめぐらし、そして再び深いため息をつく。

すると、カタッと扉が開く音がし、ユニが部屋に入ってきた。
ソンジュンがユニを見上げる。

「おかえり。」

(さっきのは夢だ。そんなことを現実の本人に言われるはずがない。)

ユニにやさしい微笑みを向けた。

「尊敬閣に目当ての本はあったかい?」

きっとユニは自分のそばにきてくれる。
そうふんでいると、ユニは自分の前を通り過ぎ、自身の棚を整頓しはじめた。

「んーー、そうね、1冊ぐらいは。」

本をがさごそしながらソンジュンの問いに答える。
これまた現実のユニもそっけない。

ソンジュンは立ち上がるとユニをそっと抱きしめた。

「ユニ。・・・・・・・・・・ここにいるときは本より俺を見てくれないか?」

ソンジュンは手をユニの顎に添え、自身の唇を寄せた。

だが、ユニはソンジュンのいる方向とは反対に唇をそむけた。

「誰が入ってくるかわからないのに・・・。また、男色の噂がたっちゃうわよ。」

そういってユニはソンジュンの両腕を掴み、自分の身体から離した。
そして、何事もないようにまた棚の整理をはじめる。

ソンジュンの動きが停止した。

(夢の中だけでなく、現実のきみもそうなのか?)

たしかに成均館ではユニは男なので、自分達の関係をおおっぴろげにできないが、中二房の中ぐらい君をもとめてもいいだろう?
ちょっと唇をよせるのも悪いことなのか?

短いため息をはいてユニを見る。

そこにはいつもと同じように勉強熱心なユニがいた。

(その瞳には俺は映っていないのか?)

そうやってユニに問いかけたくなる。
だが、そう言いたい気持ちをぐっとこらえた。

「・・・・・、そうだな。男色は困るな。勉学に励まねば。」

ソンジュンは仕方なく、視線を本へと移した。
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# by yumama0401 | 2013-09-04 17:59 | 二次小説
長期休暇があけ、いつもの成均館の毎日が始まった。

朝起きたら、衣服を整えて顔を洗い、朝食を食べに行って講義を受ける。
いつもと同じ。
いつもユニとソンジュンは一緒だった。

だが、今日はユニの動きが鈍い。
立ち上がるときは何かにつかまりながら立ち上がり、歩くときは下を向いてゆっくり歩く。

ソンジュンもさすがに声をかけずにはいられず、足を止めた。

「すまない、そんなに辛いのか?」

ソンジュンの言葉にユニも足を止める。
頬をふくらませながら、横目で見上げると、呆れながら小声で呟いた。

「・・・・・・・・・、おかげさまで足がガクガクしてまともに歩けない。」

ユニはソンジュンの返事も待たず、明倫堂へと向かう。
ソンジュンは自分がしでかしたこととはいえ、なぜ止められなかったのだろうと昨夜の出来事を悔いた。
ユニの腕を掴んで肩を支えて歩きたかったが、他の儒生がいる手前そういうわけにもいかない。
急いでユニに追いつくと、ぴたっとくっついてそばを歩くことにした。




講義がはじまった。
ソンジュンはユニの隣に座り、博士の話しに耳を傾けていた。
が、しかし、内容がすべて頭にはいっている講義だと気づくと、ふと隣に目をやった。
ユニの小さな手が見える。
博士の話を聞き逃すまいと、ユニは素早い動きで本に書き込んでいた。
だが、手をみれば顔も見たくなるというもの。
視線を手から顔へと移す。
ユニの色白い小さな顔。
そして、大きな黒い瞳。
ソンジュンはしばしその魅力的な黒い瞳に見とれていると、昨夜のユニとの交わりが思い出された。

甘美な声をもらし、自分が与える快感に身を悶える様がありありと思い出される。
滴る汗、涙で濡れた瞳、蒸気した頬。

その情景を頭の中で再現していると、ふっとユニがこちらを向いた。
2人の目線がひとつに重なる。
ソンジュンは昨夜の情事を想像していたせいか、罰が悪くなり反射的に目をそらした。

(何を考えているんだ、俺は・・・・。)

意識を講義に向けようと前を向く。
聞かなきれば、聞かなければと博士の話しに耳を傾けるが、もう右から左。
ソンジュンの握っている筆が動くことはなかった。


講義も終わり、中二房に戻ろうと東斎のほうへ脚をむける。
だが、ユニは自分と違う方向に脚を向けていた。

(え?)

「おい、キム・ユンシク、どこに行くんだ?中二房ではないのか?」

「うん、僕は尊敬閣に本を探しに行くから。あ、いいよ、僕ひとりで。兄上は先に戻ってて。」

ユニはそう言い残し、さっさと尊敬閣へと行ってしまった。
あの、ユニのそっけない表情・・・。

「えっ?おい・・・・・・っ、キム・ユンシク!」

ソンジュンの呟きが聞こえないのか、ユニはもう数メートル先を歩いていた。

(そんなに急いで・・・・、どうするっていうんだ?)

なぜ俺は置いていかれたのかとため息が出る。

(身体がきついといっていたのに、中二房でおとなしくしていればいいものを・・・・。)

いつもユニと一緒にいたいソンジュンにとってはなぜか肩すかしをくらった気持ちで・・・・。
断られてはしかたがないと、とぼとぼ1人で中二房へと戻ることにした。



中二房に着きソンジュンは扉を開けた。

部屋の中を覗くがコロは戻って来ていない。
ソンジュンは持っていた本を棚に戻すと別の本を取り出し机の上に置いた。
ドスっと腰掛ける。

「ふーーっっ。」

なぜか大きくため息が出た。
ユニのことが頭から離れない。
ユニが傍にいないだけで、今何をしているんだろうか・・・・早く戻って来いとボーっと考えてしまう。

ソンジュンはばさっと机の上に上半身を突っ伏した。

(ユニ・・・・・・キム・ユニ・・・・・早く君の姿が見たい・・・・・。)

目を閉じてユニの姿を思い浮かべた。

講義を受けている時のきりりとした表情のユニ。
尊敬閣でキスをされた時のユニ。
敷布団を自身の身体にぐるぐるに巻き、にこっと微笑んだユニ。
初めて身体を重ねた時のユニ。
そして、昨夜の交わっている時の魅惑的な表情のユニ。

ソンジュンの頭の中は段々と卑猥なものになってくる。
だが、昨夜の情事で寝不足なソンジュンの身体。
身体は睡眠を求めていて・・・・・・。

(ユニ・・・・・・・早く、早く戻って来きてくれ・・・・・・・。)

ユニを思い浮かべたまま、ソンジュンは眠りの世界へと落ちていってしまった。
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# by yumama0401 | 2013-09-04 17:58 | 二次小説
ソンジュンに本当の自分を打ち明けてから、数ヶ月たった。

だが、だからといって成均館での毎日に何か変化があったのかと言うとそうでもない。
むしろ、自分を抑えることが多くなってしまった。

ソンジュンの自分に向ける視線が、距離感が、ユニである自分に向けられているのだなと感じることが多々ある。
それはソンジュンも一緒。
お互い気持ちを表に出せず、苦しい日々が続いていた。


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もうすぐ、長期休暇。
いつもユニはたくさんのお土産を抱え、母とユンシクが待つ家へ帰る。
もちろん今回もそうしようと思っていた。




「今回はうちに泊まりに来ないか?」

儒生の皆が荷物を抱え、自宅へと帰っていく中、ソンジュンがユニに耳打ちをした。

「え?カラン兄上のお家へ?」

「ああ。」

「でも、僕はお家へもって帰ってあげたいものとかいろいとあるし、お母様やユンシクの顔もみたいから・・・。」

「わかってる。だから、最後の一晩だけでも。お母様たちには早めに帰って勉強するからと言ったらどうかな?」

「そ、そうだね。・・・・・わかった、でもいいの?僕が行っても・・・。」

「同室生を泊めるといえば、うちは大丈夫だから。」

「そっか。じゃあお世話になろうかな?」

「ああ、そうしよう。その日は近くまで迎えに行くから、ではその時に。」


こうして2人はソンジュン宅で一緒に過ごす約束をした。

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そして、休暇最終日。・・・・・・・・・


「おじゃまします。。」

「どうぞ。」

初めて入るソンジュンの部屋。
(素敵ーー!)と思いながら、部屋の中を見渡すと、ユニはたくさん並ぶ書物が目に入った。

「カラン兄上はいろんな書物を持ってるんだねー!読んでみたいものがたくさんだよ。」

その中の一冊を手にとり、ユニはぺらぺらとめくる。

「君は本当にここに勉強をしにきたみたいだな。」

「え?」

「僕より書物のほうに興味があるみたいだから。」

ユニはゆっくり本を閉じた。
そして、その本を棚に戻す。

「そんなわけないわ。だって・・・・どうしていいかわからないから。ここへはユンシクとしてきているわけだし・・・。」

「ここではゆっくり過ごしてくれ。たった一晩だけど、君とこうして他の儒生の目を気にせず、過ごしたかったんだ。」

ぎゅっとソンジュンはユニを抱きしめる。

「いいの?女人を連れ込んで・・・・。」

「大丈夫、君は男だろ?」

「もう・・・・・、都合よすぎだわ。」

ソンジュンがユニ唇を奪いながら、衣のあわせを手で押し開き手を差し入れ、サラシの上から胸をもみあげる。

「ちょっと、気が早すぎない?まだ、外は明るいわよ?」

「・・・・・そうだな。確かに。夜は長いからな。」

ソンジュンは不敵な笑みを浮かべる。
ユニの身体から手を離すと、肌蹴た衣を整えた。

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その日の夜・・・・・・・・


「ううん、・・・・・・・・あぁ・・・・・・・・・・・んんんんんんんんんんん。」

ユニが布を噛みながらあえぎ声をおさえる。

「ユニ、愛してる。」

2人をさえぎるものはなにもない。

「私もよ、アラン。愛してるわ。」

「君とずっとこうしていたいのに・・・・。君と1秒でも離れていたくない。」

「私もよ。ずっと私だけを見ていて・・・・。」


成均館で普通の男女としてすごせない反動があらわれる。
開放感でいっぱいの2人はユニの体力が続くまで、ソンジュンの愛の攻防は続いた。

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夜が明けて・・・・・・・


「どうしたんだ?カラン、何でテムルはあんなに機嫌が悪いんだ?」

成均館に戻ってそうそう、ユニの機嫌が悪いのに気づきヨリムがソンジュンに耳打ちをした。

「さあ・・・、どうしてでしょう。」

さも心当たりがないように涼しい顔で答えるソンジュン。

「ふーーん。テムルが怒ってる時はだいたいおまえがらみなんだ。だから、ちゃんと後で謝っておけよ?」

ニヤっと笑いながら扇子を手に微笑むヨリム。
そのまま、はにかみながら颯爽と消えていった。



「いい加減機嫌をなおしてくれないか?」

ユニの傍に近寄り小声でソンジュンがささやいた。

「なおるわけないじゃない。あなたのせいでしょ?・・・・・・身体がガタガタなんだから。」

そお言い放ちユニはソンジュンの傍を離れる。
昨夜、2人の愛の攻防はユニが根をあげるまで続けられた。
さすがに朝起きた時には、ユニの身体は筋肉痛で・・・・。
成均館に帰る道すがら、すっとユニは不機嫌だったのだ。

1人残されたソンジュンは頭を抱えると、ユニの後を追った。



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随分とクウォリティの低いお話ですが、気の赴くままに書いております。
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# by yumama0401 | 2013-09-04 17:57 | 二次小説